2021年6月2日放送のテレビ東京系列の番組『あちこちオードリー』にて、お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号・田村淳が、ナインティナイン・矢部浩之に番組MCという立場が「面白くない」と感じていた時期を救ってもらったと告白していた。
田村淳:番組進行が面白くないっていう期間があって。30歳から、32~3歳の頃かな。
若林正恭:へぇ、淳さんもあったんですか。
田村淳:そうなのよ。で、これを救ってくれたのが、ナインティナインの矢部さん。
若林正恭:え?どういうことですか?
田村淳:矢部さんって本当、特に仲がいい先輩でもないんだけど、時々目の前に現れて、「淳、なんかあれ、大変そうやな」って、ズバーって突いてくるんだよね。
若林正恭:痺れますね、その瞬間。
田村淳:そうなの。で、「あ、バレてるんだ」って思って。
若林正恭:分かるんですね。
田村淳:俺の中では、一生懸命スタッフさんの意向をちゃんと汲み取って、それを具現化する、素材を作るっていうことをやってきたつもりだけど。
若林正恭:はい。
田村淳:「楽しくなさそうだな」って思う人がいるし、しかも自分の吉本の先輩で。しかも、仲の良い先輩じゃない人が言ってくるから、余計刺さったっていう。
若林正恭:へぇ。
田村淳:で、楽屋に挨拶行ったときに言われたの。
若林正恭:へぇ。
田村淳:「何がイヤなん?」みたいなことを言われて。
若林正恭:はい。
田村淳:「いや、なんか責任ばっかり背負わされて、こんなはずじゃなかったんですよね」って。「みんなの交通整理しなきゃいけないんだけど、交通整理を無視するような人になりたかったんですよ」って。
若林正恭:うん。
田村淳:「なるほど、分かるわぁ」って言われて。「MCはMCの責任がある、自由に泳ぐ人たちは、自由に泳ぐ人たちの責任があって、淳は今、こっちがわ。で、番組って面白くなったら、自由に動いてた人たちが跳ねることで、こっちに評価が行きがちじゃない?
若林正恭:そうですね。
田村淳:だから、「春日、面白い」ってなる。でも、その裏では、骨組み作ってる若林がいるわけじゃない。
春日俊彰:はい。
田村淳:でも、元々、裏志望じゃないから。春日みたいにやりたいのに、「そっちがわで評価されないのが苦しいです」って言ったら、「いや、淳のことを見ているスタッフがいるよ」と。
若林正恭:はい。
田村淳:見てる人は、たしかにこっち側のフィールドで動き回ってる人が面白いってなるかもしれないけど、テレビのスタッフは、「淳がいたからこういうふうにできた」って理解してくれる人がいるから、「その人たちに向かって、まずやってみれば」と。
若林正恭:ああ。
田村淳:そしたら、やりがいを感じられるよ、と。「番組が面白くなったら、フィールドの人おかげ、面白くなかったらMCの責任」って。全然期待しないで楽屋ノックしたのに、思いがけず素敵な言葉をいただいちゃって(笑)
若林正恭:「期待しないで」とか言わないでくださいよ(笑)そんな素敵な話(笑)
田村淳:はっはっはっ(笑)
若林正恭:そんな挨拶ダメですよ、淳さん(笑)
田村淳:ふふ(笑)だから、本当に矢部さんには凄い感謝してる。