2025年9月26日放送のニッポン放送系のラジオ番組『矢沢永吉のオールナイトニッポンGOLD』にて、テレビプロデューサーの佐久間宣行が、矢沢永吉が売れ線の曲の作り方を「もっと早くから知りたかった」と今思っているとの発言に「めちゃくちゃ面白い話」と語っていた。
佐久間宣行:矢沢さん、もうこの50年トップでやってらっしゃると、誰もが認めると思いますけど。その「悔しいなぁ」と思ったことありますか?もしくは、「あれカッコイイなぁ、悔しいなぁ」とか。
矢沢永吉:うん。
佐久間宣行:作ってた充実感とは別に感じたこととか。
矢沢永吉:あのね、これは最近僕が感じることなんですよ。最近って言っても、今じゃなくて、もうここ10年ぐらい前から最近、感じることなんだけど。
佐久間宣行:はい。
矢沢永吉:そうだね…例えば売れ筋とか、売れ線とか。
佐久間宣行:はい。
矢沢永吉:っていうのは、ちゃんと1つの形があるんですよ。
佐久間宣行:うん。
矢沢永吉:形があるんですよ。メロディであろうと、イントロであろうと、サビであろうと。1つのフッと入る。これ「キャッチー」って我々言うんですけど。
佐久間宣行:ああ、はい。
矢沢永吉:形がちゃんとあるの。あるのに、それに本当に僕は気づいたのは、年を結構とってからなの。
佐久間宣行:ああ(笑)
矢沢永吉:それまで自分が結構、頑固だから。自分はこう思うんだって言ったら、意外とそっから出れなかった時期があるんです。
佐久間宣行:ああ。
矢沢永吉:だから、それを個性と言えば、個性なのね。
佐久間宣行:うん。
矢沢永吉:だから僕は、やっぱりキャロルっていうグループがあって、ファンキーモンキーベイビーの『ヘイ・タクシー』とか、キャロルの曲から今度ソロになり、ソロになって間がない時、結構矢沢のメロディってのは、独特なメロディだったんですよ。
佐久間宣行:はい。
矢沢永吉:だからよく言えば個性があって、我があって。
佐久間宣行:はい。
矢沢永吉:だけど後に、それからもっと後、言ったら僕は段々年とってきてから、「それだけじゃダメなんだ」と。
佐久間宣行:ああ。
矢沢永吉:そこにより一層のキャッチーとか、引っかけるとか。売れ線っていうのは、ちゃんと理屈があるんだっていうことを、段々、段々分かってくるわけですよ。
佐久間宣行:はい。
矢沢永吉:早くから知りたかった。
佐久間宣行:はっはっはっ(笑)
矢沢永吉:その理屈。
佐久間宣行:めちゃくちゃ面白い話ですね(笑)
矢沢永吉:だから、キャロルの頃からあの頑固な自分のラインがあるんだけども、理屈も分かっていたら、もっと面白かったんじゃないかと思うのね。
佐久間宣行:なるほど。いや、これ凄い面白いなと思うのは、矢沢さんがそのキャッチーだったり売れ線、ポップに少しなるものっていうものに対して、対立するんじゃなくて、「それを知ってれば矢沢の音楽、もっと面白くなったな」っていう。
矢沢永吉:そう。
佐久間宣行:これは面白い(笑)
矢沢永吉:よく言えば頑固だったし、矢沢式。
佐久間宣行:いやいや、そこの部分があるからこそです。
矢沢永吉:いや、あるから多分、自分で言ったらおかしいですけど、今もまだ矢沢はこうやって歌えてるんだと。
佐久間宣行:そうだと思います、もちろん。
矢沢永吉:だけど、「キャッチーとは」っていうのを、もっと並行して一緒に知っていれば、もっと面白かったね。
佐久間宣行:でも、その頃の矢沢さん、その頑固と言ってた頃の矢沢さんは、その話にちょっとやっぱ「何言ってんだよ」と思ってたんじゃないですか?(笑)
矢沢永吉:あの時の矢沢は、入れてないと思う。
佐久間宣行:はっはっはっ(笑)そうですよね、結局(笑)
矢沢永吉:「何、くだらないこと言ってんだよ」って。
佐久間宣行:だから、出会う時に出会ったんでしょうけど(笑)
矢沢永吉:そう、そう。
佐久間宣行:その出会ってから、作り方の幅とかも考えると、「あ、あの頃の矢沢が知っててもよかったな」って思ったってことですね。
矢沢永吉:思います。
佐久間宣行:めちゃくちゃ面白い(笑)っていうか面白いし、凄くいいなと思うのは、この柔軟さと、そのなんかマーケットとか、そういうものの向かい方に。
矢沢永吉:そう、マーケットですよ。
佐久間宣行:そこの向かい方に、ちゃんと矢沢さんが。自分の譲らないものはありながらも、向き合いながらやってるから、この年齢までやってらっしゃれるっていうか。
矢沢永吉:昔なんて僕、「マーケットって何?それ」って。
佐久間宣行:はっはっはっ(笑)
矢沢永吉:男一本がマーケットもクソもあるかい、みたいな感じあったんですからね。

