2021年6月30日放送のテレビ東京系列の番組『あちこちオードリー』にて、シンガーソングライターの星野源が、歌手として「人ができないことを、自分はできるのかもしれない」と思えた瞬間について語っていた。
星野源：「人前でやってみなよ」って言われて、「いや、恥ずかしいからいいです…」って言って、でもやることになっちゃって。
若林正恭：うん。
星野源：で、「やることになったから、曲作んなきゃ」って思って。で、人前でやるって意識して作ったのが、『ばらばら』って曲だったんですけど。
若林正恭：はい、はい。
星野源：それを、そのライブを人前でやった時に、前列の人がみんな泣いたんですよ。
若林正恭：へぇ。
星野源：「ウソでしょ…」って思って。全く自信がなくて、その失恋を経て、本当にもう「クソが…」って気持ちで作った曲だったんです。
若林正恭：はい、はい。
星野源：でも、それだと本当にただの自分のオナニーになっちゃうから。
若林正恭：はい、はい。
星野源：普遍的な歌になんとかしようと思って。その自分の辛い、「クソが…」みたいな気持ちを、「色んな人に伝われ」みたいな。
若林正恭：はい、はい。
星野源：その時に初めて、「あ、これは人ができないことを自分はできるのかもしれない」って思った最初だったんです。
若林正恭：ああ、その感触があったんですね。
星野源：はい。で、自分がそんなに苦労してなかったんですよね。
若林正恭：あ、それを作ってっていう。
星野源：はい。「辛い、辛い…頑張って作った、どうですか？」じゃなくて、「なんとか、これならいいかな」って感じで、自分の労力と、結果が全然いい意味で釣り合ってなくて。
若林正恭：はい、はい。
星野源：よく言うじゃないですか。自分がするべき仕事とかって、自分が楽でやってんだけど、凄い返りが多いっていうのが、自分に実は向いてる仕事なんだ、と。
若林正恭：なるほど。
星野源：それでも自信がなくて、そこから5年かかって、初めてファーストアルバムが出るんです。
若林正恭：20代の5年って、結構ですよね。
星野源：そうですね。長かったですね。
