2019年9月9日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、Eテレの番組『100分de名著』の中で、ロジェ・カイヨワ『戦争論』の解説を受けてとんでもないことが思い浮かぶも、言わなかったと告白していた。
伊集院光:今週気づいたこと。結構、大変だなぁっていう。Eテレ出たり、朝のラジオ出たり、ゴールデンのクイズ番組出たりあと、こういうどうかしている時間帯に、どうかしてる人が聴いている番組にね…君のことだよ、どうかしてるっていうのは。言い返せ、言い返せ。そう、俺のことだ。
で、全部に出ます。全部に出る伊集院光は一人じゃないですか。だけどさ、TPOっていうものがあるじゃないですか。
『100分de名著』っていう、Eテレの番組に、随分長く出してもらってるんですよ。それで、その名著と、古今東西、名著と呼ばれる本を、25分番組、計4回で読み解くっていう。
で、凄い有名な本から、インテリジェンスの高い高い人は知ってるけど、一般にはあまり知られていない本から、いろんな本を取り上げて。で、その専門家の人が来ます。
NHKの女性アナウンサーさんと、その講義に来る先生はもう読んで。あらかじめ読んで取り組むけど、自分は読んでない状態から聞き手になって、で、質問をぶつけたりして、理解していく。1ヶ月の全4回で25分かける4回の100分で、理解していくみたいな番組。
随分長くやってるんですけど、ついさっきオンエアしてた、今月が大江健三郎(笑)で、先月のテーマだったのがロジェ・カイヨワっていう人の書いた『戦争論』っていう、凄い堅い本で。100分間かけて、大づかみで自分が掴んだところによると、戦争っていうのは、誰のせいで何がきっかけで起こるっていう考え方ではなくて、人類が進歩していくと戦争になるっていう。
もっと言うと、本能的に戦争的なものを人類は求めてるんだと。だから、戦争にならないような努力をしなければ戦争になるし。
で、もっと言うと、これは自分の解釈もあるけれど、次の戦争までの期間をなるべく長引かせなきゃいけないし、始まった時には小さく、短く終わらせる努力をしないといけない、みたいな。そういう本で。
何夜目かな。全四夜でちょっとずつ理解してくんだけど、中で、自分に結構突き刺さったのは、人間が戦争するんじゃないんです。戦争っていうものが、人に戦争させるように仕向けるんです、っていうの。
感覚的には大勢人がいるじゃないですか。大勢人がいる上空に、巨大な戦争っていうものがあって、で、人間に…たとえば、「飛行機開発すると便利だよ」ってすることで、人間はまんまと飛行機を開発しちゃうじゃん。そうすると、遠くの国まで爆撃しに行けるようになったりみたいな。
なんかそういう話が「怖ぇ」って思いながら。その時、頭の中にパッと浮かんだのは、「オナニーもそうじゃね?」っていう。人間がオナニーをするんじゃないんですよ。オナニーが、俺にさせているっていう。
ビデオを買った方が、いろんな勉強になる番組とかも見られるしっていうふうに、ガンガン言ってくるんですよ。で、「うっ…はっ!」ってなった時に、もう「今じゃない」って時にさせるでしょ。僕にとって凄い不都合な日に、僕個人にとってはとても今、そうすべきじゃない日に、もうヌかされてるっていうことになるじゃないですか。
そのことを僕は、NHKのEテレのスタジオでバンッと思ったんですけど、言わなかったですよ。そういうことと日夜戦ってるんですよ。そこの大変さを分かって欲しいんですよね。