オードリー若林、渾身の「ズレ漫才」が誕生するきっかけと意気込み「通用しなかったら死ぬしかない」

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「人と違うネタ」ばかりを追い求めていた時期


若林正恭:人と違うことをやらなきゃいけないって思ってるから、ぶつかりあったまま追っかけあって、舞台の下に降りて行って、お客さんの出入りする扉から外に出て行って、恵比寿の路上でタックルして終わるっていう。

春日俊彰:あったなぁ。

若林正恭:お前ってさ、偉いよな。だって俺が、ファミレスである日、分けわからないこと言い出すわけじゃん。「アメフトの防具で、ぶつかってるショートコントをやる。オチなんだけど、劇場の客席から出て行って、劇場を出て恵比寿の路上で俺が春日をタックルするから、そこで『ありがとうございます』って言って終わろう」っていうことを、「ウィ」で了承して済ますって、凄いよな。

春日俊彰:ふふ(笑)

若林正恭:俺、やっぱり間違ってたと思うもん。その時にやろうとしていたショートコント。

春日俊彰:うん、だって誰もいない舞台が暗転するんだもんね(笑)出囃子が鳴って(笑)

若林正恭:ふふ(笑)どう思うわけ?あの時のマネージャーの目、冷たかったぞ。戻って行ったとき。

春日俊彰:そうだろうね。「あんたたち、何やってんだ?」って話だからね。

若林正恭:本当に、何やってたんだってことじゃん。正直、何も面白くないし。

春日俊彰:うん。

若林正恭:それが尖ってるって思ったら大間違いだし。人と違うことをやれって言ったって、違うことをやってるだけだからな(笑)

春日俊彰:そうだね(笑)

若林正恭:偉いよな。それを俺が言い出して、やるんだもんな。俺がネタを作られる側だったら、「絶対にイヤだ」って言うと思うもん。25歳くらいでしょ、あの時。

春日俊彰:その時は、それが面白いって私も思ったからね。

オードリー若林、個性的で面白いネタと個性的であるだけのネタの違い「人と違うことをやらなきゃと思っていた」

ボケとツッコミが逆だったオードリー

若林正恭:トークライブを始めるってきっかけが、ボケとツッコミが今とは逆で、とにかくスベリ倒してるんですよ。

春日俊彰:うん。

若林正恭:それで、どっちがボケで、どっちがツッコミなのか考え直さなければならない、ってことになったんですよね。それで、素で喋っているのをビデオに撮って、喋っているのを見れば、どんな2人なのか分かるだろうってことで、トークライブを始めたんですよね。

春日俊彰:トークライブというものを始めるきっかけですわな。

若林正恭:ビデオを見返したら、当時春日さんはツッコミだったんですけど、突っ込んでいた回数が、2時間で2回だったんですよね。

春日俊彰:まぁ、奇妙な話だよね。

若林正恭:それで、どっちもボケてなかったんですよね。ツッコミ2で、ボケが0だったんです。それで、ボケとツッコミより、若林と春日だろうって話になったんです。

春日俊彰:うん。

若林正恭:…漫才のスタイルを見つけるために、トークライブをやってたんですよね。このトークライブの後半はもうグダグダで、記事にはなってないですけど、春日の間違ったツッコミで、俺が『なにそのツッコミ』っていうところが、異常にウケてるんだよね。

春日俊彰:あぁ、はいはいはい。

若林正恭:それで、そのままの漫才を作ろうってことになったんです。記事を全部読み直して、一箇所、ズレ漫才誕生の瞬間があるんですよ。

春日俊彰:そうでゴンスか。

若林正恭:俺が、エピソードトークをしているんですよ。『家に帰って、麦茶を飲んだんですよ』って話していたら、『そこは牛乳だろ!』って突っ込んだんです。

春日俊彰:なるほどね、春日の中では牛乳っていう常識があったんですよね。

若林正恭:それで、そこからズレ漫才っていうスタイルになったんですよね。

オードリー若林正恭「ズレ漫才が誕生した瞬間」

ズレ漫才誕生の瞬間

山里亮太:若林=「常識」、春日=「自分は常識だと思ってるけど、傍から見たら非常識というツッコミを入れる」っていう。

若林正恭:うん。思いついた瞬間なんだろうね。

山里亮太:そう。

若林正恭:この

若林:野菜しか食べないんですよ。

春日:バイト先の菊池か!

若林:そいつ、誰なんだよ!

これが記念すべき、初めてのやりとりなんですね。

山里亮太:最初のボケだ。これなんだね。

若林正恭:2006~7年だね。

山里亮太:これがオードリーの「今から笑いをとる」そして「自分たちが生きていく武器を見つけた」っていう瞬間の温度、分からない?これ、ノートが熱いのよ、俺からすれば。

若林正恭:思いついた瞬間は、マジで「あ、売れちゃう」って思った。

山里亮太:そうなのよ、本当に。

若林正恭:リビングで居ても立ってもいられなくて、ソワソワして、とりあえず外に出たもん。「売れちゃう、売れちゃう」って思って。それで、交番に入って「俺、売れちゃうんですよ」って言いに行きたくなるくらい(笑)

山里亮太:本官だったら、「話は署で聞こう」ってなるよね(笑)

若林正恭:お茶出してもらってね(笑)…その脚で、自転車で春日の家に行ったのよ。「春日、凄いだろ、これ。これを積み重ねていけば、どこにもない漫才ができるぞ!」って言ったら、「どういうことっすか?」って(笑)ぶん殴ってやろうかって思って。

山里亮太:ふふ(笑)

若林正恭:野菜ジュース飲みながら、「どういうことっすか?2人ともツッコミなんすか?」って。

山里亮太:はっはっはっ(笑)

若林正恭:「ツッコミなんだけど、それがボケになってんだよ」って。「もういいわ!台本書いたら提出するわ!」って(笑)

山里亮太:「うい」って言ってた?

若林正恭:言ってた(笑)

オードリー若林、「ズレ漫才」が誕生した瞬間の興奮を語る「売れちゃう、売れちゃう」

当初は受け入れられなかったズレ漫才

春日俊彰:普通にショーパブとかで(ズレ漫才だと分からない客に)「相方の話をちゃんと聞け」って言われたことあるからね(笑)「お前さ、横のあの子の話、ちゃんと聞きなさいよ」って(笑)説明できないじゃん、こっちも。そういうネタだっていうのもさ。

若林正恭:はなわと原口とマエケンは、「私は売れる前から売れると思ってた」って言うヤツじゃん。でも、俺らはそういうのなかったけどな(笑)

春日俊彰:誰もが意外だったっていう(笑)

若林正恭:この間、TAIGAさんが酔っ払ってた時に言ってた。「売れると思わなかったけど、売れたヤツの代名詞みたいになってる」って(笑)

春日俊彰:ふふ(笑)

若林正恭:スベってたからなぁ(笑)

春日俊彰:そりゃそうよ(笑)

オードリー若林、周りからの批評を遮断してやり続けたズレ漫才「ライブアンケートを読んでたら続けられてない」

ズレ漫才が花咲いた瞬間

若林正恭:(「土」「種」「茎」「花」とタイトルが付けられたネタ帳の)「茎」が2005年10月くらいなのよね。2005年10月に初めてズレ漫才をやってるんですよ。これ、ハッキリしたね。

春日俊彰:あぁ。

若林正恭:2005年10月に、1発目のズレ漫才をやって、2006年の5月にデートのネタを作ってるんですって。それが「茎」でした。

春日俊彰:なるほどね。

若林正恭:「花」で、『ぐるナイ』出てました。

春日俊彰:あぁ、咲いたじゃない(笑)

若林正恭:咲いてました。

春日俊彰:その3部作、良いんじゃない?

若林正恭:良いかもしれませんね。

春日俊彰:結果が出てようやくね。…その「土」ってネタ帳は何?

若林正恭:「種」の1個前のヤツですね。

春日俊彰:4部作だったんだ。

若林正恭:4部作でした。「土」「種」「茎」「花」でしたね。

オードリー若林が語る、ブレイクするまでに支えてくれた4冊のネタ帳「ズレ漫才が誕生する瞬間」

ズレ漫才が

若林正恭:(ビッグスモールン・ゴン)「春日さんの言葉が凄い胸に残ってて」みたいに言い出して、アイツが。イヤな予感して、この話。「怖いなぁ、怖いなぁ」って。

春日俊彰:なんだかヤダなぁって(笑)

若林正恭:なんだかヤダなぁって(笑)そしたらさ、「オードリーさんがM-1にガーッて行くみたいな時期に、『緊張しないんですか?』ってライブの楽屋で訊いたら、『いやだって、スベったところで、地球規模で考えて何の影響があるの?』みたいなことを言ってて」って。

春日俊彰:うん。

若林正恭:「『そんなことをやってんだよ。緊張する方がもったいないじゃん』っていう言葉が残ってるんですよ」って言うのよ。

春日俊彰:はっはっはっ(笑)

若林正恭:そのバカとバカの連鎖、なにそれって思って。

春日俊彰:おい、待て待て(笑)

若林正恭:「それ、マジでやめて」って。ゴンちゃん帰ってきてお疲れって意味の焼鳥屋で、「ゴンちゃん、飲みなよ。残念だったけど」っていう会だったんだけど、バカとバカの連鎖。

春日俊彰:おい、ちょっとまってくれよ(笑)

若林正恭:もういいって。「地球規模なら大したことない」っていうことぐらいじゃあ、済むはずがねぇんだよ。

春日俊彰:うん、うん。

若林正恭:「マジでその話、二度とすんなよ」って。それまで「お疲れ」って感じだったけど。久しぶりだから、2人で会うのも。アメリカにずっといたから、アイツ。

春日俊彰:うん。

若林正恭:で、いい空気だったの。だけど「その話、二度と俺の前ですんなよ」って。

春日俊彰:ふふ(笑)

若林正恭:「すみません」みたいな(笑)

春日俊彰:何やってんだよ(笑)

若林正恭:いいんだよ。伝わらないの分かるんだけど、ネタも書いてねぇ奴がさ。こっちは、ファミレスで深夜何時までを何日までやって。それがスベることは、自分のお笑い観の否定になるわけよ。

春日俊彰:うん。

若林正恭:それもない奴が、何を言ってんだよ、田吾作!

春日俊彰:はっはっはっ(笑)何やってんだよ、ゴンちゃんよぉ、余計なこと言うから、私まで怒られてんじゃないかよ(笑)

若林正恭:俺は、このズレ漫才が世の中に通用しなかったら、辞めるしかない、死ぬしかないって思ってたんだよ、あの時は。

春日俊彰:うん。

若林正恭:クソ…合コンばっかしてた奴がよぉ。

春日俊彰:はっはっはっ(笑)

若林正恭:「ここでスベっても、地球規模で考えれば…」って。

春日俊彰:はっはっはっ(笑)

若林正恭:そりゃそうだろうな!そりゃそうなんだろうな!俺は、宇宙規模で生死かかってたよ!

春日俊彰:はっはっはっ(笑)

オードリー若林、ズレ漫才が通用しなかったら「芸人辞めるしかない、死ぬしかない」と思っていたと告白

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