ネットニュースの「誤報」をきっかけとして起こった仲違いから、YouTubeでの対談により和解に至ったオリエンタルラジオ・中田敦彦さん、そしてキングコング・梶原雄太さんについての経緯をまとめてみました。
ネットニュースによる「誤報」が発端
中田敦彦:カジサックさん。梶原さんとの一件で、そういうことに、全く同じこと(落合陽一の陥った状態と同様)になってるんですよ。
どういうことかって言うと、俺がこのラジオで言ったんですね。「ユーチューバーと、若手芸人っていうのは今、全然また違うんだ」っつって。言ってみれば、先週が録音だったの。その時に、パンサーの向井が「カジサックさんの件でも、あんなふうに嫌われる必要ないのに、あんなことになっちゃって、俺、悲しいです」みたいなこと言ってて。
それ、何のことかって言う人もいると思うから説明するんだけど。俺は、このラジオで、「ユーチューバーは今、凄い」と。「何が凄いかって、僕もYouTube取り組んでみて、圧倒的に俺は勝てなかったんですね。それ、なんでかって言うと、僕はやっぱりこのお笑い芸人を見てテレビに入ってきたし、メディアに入ってきたわけなんですよ。
それこそナインティナインさんとか、ダウンタウンさんとか、そういう人たちが大活躍してるテレビを見て入って来て。で、その文脈って結局、撮影される側なんですよ。演芸をやって、テレビに出る。そこから、演芸のスキルを持って番組を面白くする。
その中で、撮られる、プレーヤーとしてやってるんだけど。今は、メディアがめちゃくちゃ身近になってしまって。今、僕はスマホとパソコンでちょっと生配信したりもしてるんだけど。
誰でもすぐに、マスメディアにはすぐにはなれないけど、言ったらマスメディア、影響力を持つかどうかはその人次第だけど、ツールはみんなに手に入ってるわけじゃないですか。全世界に流す、配信技術はあるわけですよね。パッとインスタライブとかやれば、すぐに生配信できちゃうわけなんですね。
で、そういうものになってって、そのYouTuberは今、企画立てて、撮影して、編集して、アップロードするっていう。プレーヤーであり、ディレクターであり、プロデューサーであるっていう、そういうオールインワンのコンテンツの人材になっている。
それと俺、撮られる側に慣れてきた俺で、誰かに依頼して編集してもらう俺、ではもう毎日の更新はできないし、なんせ時間配分が全然違うから、これ勝てないっていう話をしたんですよ。
芸人がユーチューバーに、YouTubeの世界で勝てないっていう話をしたんです。その中で「俺は、完全に負けたんだけど、ダメだったんだけど、失敗したんだけど、カジサックさんは、あそこまで頑張ってて凄いと思う」って話をしたんです。
だけど、これを記事で、ガチャっとタイトルでくっつけられちゃったんですよ。「芸人はユーチューバーに勝てない。だから、カジサックも勝てない」って書いてあった。そのタイトル、カジサックもYouTubeでは成功しない、みたいなタイトルで。
これは切り取りの中で、一番悪質な切り取り方だったんだよ。俺もビックリしたの。今まで色んなこと書かれてきたけど、ギリギリ事実に即してて、主観でなんとかフォローしてたけど、それはもうウソじゃん。「カジサックは勝てない」に関してはウソじゃん。そのタイトルで上げられちゃったんですよね。
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ファクトチェックしてくれるだろうという「甘え」
中田敦彦:俺は「いや、これはちょっと参ったなぁ」って思いながらも、ファクトチェックあるだろうと思ってたんですよね。
放置してたら、梶原さんがね、コメントで「中田さんが何か言ってますけど、興味ありません」みたいな。
で、俺はそれを見て、「ちょっとこれ、真に受けちゃってるなぁ」と思って、スピードが大事だろうと思って、すぐに、そのツイートに返して、「梶原さん、これフェイクニュースですよ。事実に反してるんで、気にしないでください。騙されないでください」ってことをコメントしたんですよ。
で、そしたらツイートのコメントの中に、俺に対して「中田さん、それ本気にしなくていいんじゃないですか?梶原さんのその言い回しって、上沼さんが騒動の時におっしゃってた台詞なんで、それのパロディーとしてカジサックさんは言ってるだろうから、多分、ボケですよ」と。
「気にしないでいいですよ」って言われて、「そうなんだ」って思ってたの。そしたら、数日後、毎日キングコングっていうYouTubeのチャンネルをキングコングさんもやってて。そこで「オリラジ中田に言わせてください」って。
「なんだろう?ネタかな?」って思ったら、その中でしっかり梶原さん怒ってるのよ。「え?マジで?」ってなっちゃって。「あ、そうなんだ。どういうこと?」って。俺は、ちょっとでもディスってたり、イジってたりしたり、褒めながら本当は下げてるんだったら、「本当はディスってるじゃねぇか」ってことで怒られるのは分かるのよ。
でも、普通に「凄いですよね」って言ってたにも関わらず、本気で怒っちゃってるから「どういうことだろう?」って思ってみたら、梶原さんが「ファクトチェック、なんでこっちがせなアカンねん」っていうことをまず言ってたのね。
「ああ、なるほどな」と。たしかに、面倒くさいよね。で、不愉快な気持ちにまずそのニュースでなった、ということは間違いない。梶原さんの論方で言うと、「そういうニュースになるって、分かってるやん」と。「お前がラジオで発言したら。そしたら、事前に『騒ぎになるかもしれません、すみません』って入れとけよ」と。
なるほど、と。まぁ、たしかに名前を出す時に、「名前を出させてもらいました」ってある文化なのかもしれないけど、俺、そこまで辛いことを言ってるつもりじゃなかったから。一報を入れる、がまずなかった。
で、辛いニュースになってて、「ヤバイなぁ」ってなった時も、俺はそこに関して「すみませんでした」って言うカルチャーじゃなかった。それは俺の認識。「先輩・後輩やったら、そういうもんや」って、それは梶原さんが凄く上下に厳しくやってきたからだろうね。
俺はやっぱり甘かったのかもしれない、そういう意味でいうと。辛いニュースになった。「でも、ファクトチェックするだから大丈夫だろう。これはさすがに信じないだろ」っていうのが、後輩の甘えだったのかもしれない。
YouTube上での対談・謝罪を提案
中田敦彦:もう仕事なんですよ、このタレントって。だって、離婚会見、不倫会見とか、プライベートっちゃプライベートじゃないですか。でも、それも含めて商売にしているところもあるから、それはそれで1個、あるのかもしれない。
このガラス張りの『トゥルーマン・ショー』、やるしかないのかもしれないと思って、俺はこれどうしたもんかな、と動画見て思った上で、分かったと。じゃあ、これはしっかり、梶原さんを不愉快にさせたっていうのと、俺は俺で考えがあって、このラジオのやり方は変えないから、俺のやり方で、梶原さんに対して謝罪したいな、と思うから。
カジサックさんの動画に、出させてもらいに行こうかなと思います。謝罪に行くっていう。で、それをここで宣言することで、ラジオとしてもガラス張りにするし、向こうの動画としてもガラス張りにすることで、裏で「すみませんでした」って電話するだけではつまらないじゃないですか。
だから、それどうなったのかも含めて、win-winにギリ持っていけるかなってことを考えたいので、カジサックさんが好きな食べ物か、飲み物、情報ある人、このラジオにください。それを俺が持ってくから(笑)
入り口ここ、出口が向こうだったら、win-winになるんじゃねぇかなっていうのが、俺の考え。ただ、この切り取り方のネットのやり口っつーのは、俺はよくないなぁと思ってて。落合陽一さんも同じことに苦しんでて。
でもさ、これもある意味、楽しむしかないのかもしれないね。これもある意味、とはいえ見出しだけ見ちゃうもん、俺だって。俺も見出しだけ見て、イラッとしたりするもん。で、見出しだけ見て面白かったりする。
ニーズがあるから、写真週刊誌ってボロクソに言われたけどあるわけ。ニーズがあるから、ネットニュースもあるわけで。それは、まあ面白い時もあるから。不利益、俺が被った時だけふざけんなっていうのも、ちょっとおかしいのかもしれないと思うから。
だったら、もう全部を含めてリングに上げるしかないって思って(笑)ネットニュースもリングに上げるし、梶原さんも、俺もリングに上がって、全員でスパナでどつきあって、最後、花吹雪をもらうしかないんじゃないかなっていうのが俺の考え方なんで。
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対談・謝罪を行った結果
中田敦彦:結果的には、本当に素晴らしい結末になったなぁと僕は思いましたね。カジサックさんのYouTubeチャンネルっていうものを、何個か見てたんですよ。
芸人同士で対談するみたいな。又吉さんと対談してるのとか、南海の山里さんと対談してるのとか。山里さんも又吉さんも、梶原さんと同期なんですね。面白いんですよ。
で、あとは陣内さんとかに教えを乞うてたと。そういう動画を何個か見てて、面白いなぁと思ったんですけど。今回、生配信なんですよ。しかも、ちょっとこうトラブルになって、それがネットニュースでうわーってなって、ちょっと話題になった後の生配信ということで、どうなるかなっと思ったんですけど。
とてつもなくこうお膳立てしてくれてたわけですよね。結果から言うと、しっかりとね、まず凄いのが、梶原さん自体がまず謝罪から入ったんですよ、僕への。これはコメントとかでね、凄く叩かれていたというところを真摯に受けて。
それに対して、もう本当に心から謝った。で、僕を呼び込んで。僕の言い分を聞いていただいた上で、僕も「申し訳なかった」っていうことを言って。で、まぁこのまま終わっても何だからいうことで、ローション相撲をやるっていう流れに持っていって。
で、お互いローション相撲をして、最後は「芸人最高じゃないか」みたいな。ちょっとプチ青春コントっぽい感じで終わるという。言ったら、ロケコントですよね。これってかなり準備して、プランニングしてないと、ああならないですよ。
で、僕はまぁ飛び込んだ側ですけど、飛び込んだ中田、「よく頑張った」っていう見方をしてくれてる人もいたんですけど。いやいや、そんなことなくて。あそこまでお膳立てをしてたカジサックさん、凄いなと思いました。
オリラジ中田敦彦、キンコン梶原(カジサック)とのYouTube上の謝罪対談で「お膳立て」をしてくれたことに感謝「かなり準備して…」
キンコン・梶原のYouTube動画出演の印象は「『めちゃイケ』っぽい」
中田敦彦:言ったら、もう終わってしまった『めちゃイケ』。僕ね、「うわ、なにこの感じ?物凄い『めちゃイケ』っぽい」っていう。
いや、出てて嬉しかったし、無理やりコントに持ってって、最後ちょっと感動も交えて終わるみたいな。「うわ、俺見てたテレビみたい」って。
とはいえ、じゃあ今、ゴールデンタイムでそういう芸人同士が、なんかちょっと茶番みたいななのか…茶番なのか、ドキュメンタリーなのかっていうのを交えながら、ドキドキハラハラさせながら、結果ちょっと感動させずつ笑いもあるみたいな番組って、なかなかやれないわけじゃないですか、時代的にも。
いや、これ凄いなって。カジサックさんってどういう人かと言うと、『はねるのトびら』な人なわけですよね。
で、『はねるのトびら』ってどういう番組だったかっていうと、あの『めちゃイケ』イズムを継いでる、フジテレビのスタッフで作っていた番組。それを10年やってきた人なんだっていう。そういう人の全力っていうのが、あそこに表れていた。
僕は、あそこまで、ロケドキュメンタリーみたいなものを、お膳立てしたり作り込んだりってやったことないから、素直にそれ感動しましたね。
オリラジ中田敦彦、キングコング梶原とのYouTube対談で感じた『めちゃイケ』イズムに感動「物凄い『めちゃイケ』っぽい」
YouTubeと真摯に向き合うカジサック
中田敦彦:僕も僕で、この幸福洗脳っていうものとか、企画。「それ、何なの?」って言われながら。その自分の信じるものを表現しようと思って頑張ってるわけじゃないですか。
カジサックさんにとって、それはYouTubeなんだなぁと。で、僕もYouTube借りた身からすると、あの向き合い方って、もうガッツリユーチューバーなんですよね。やっぱり、タレントさんって、あんまり視聴者と絡まないし、視聴者の意見ってどっちかっていうとそんなに触れない方がいい、みたいなところがあったんですけど。
コメントをあんだけ真摯に受け止めて返して、その上で生放送で、あれだけのことをやろうっていうところに、なんか本気を感じましたね。まぁ、もちろん本気なんですけど。
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