2024年4月20日放送のTOKYO FMのラジオ番組『まんが王国presents 世界はまんがで出来ている』(毎週土 19:00-19:30)にて、漫画家の浅野いにおが、最新作『MUJINA INTO THE DEEP』のあらすじや世界観について語っていた。
浅野いにお:『MUJINA INTO THE DEEP』は、人権がカードで管理されているという社会で。
狩野英孝:はい。
浅野いにお:完全に管理されきってる社会なので、色んな保証がされてるんですけども。
狩野英孝:はい。
浅野いにお:逆に言うと、そのカードを持ってない人っていうのは、人権が完全に無視されて。
狩野英孝:はい。
浅野いにお:生きてるのも、死んでるのも関係ない、みたいな。そういう人間じゃないみたいな状態になっちゃってる人たちがいる。その人たちが「ムジナ」という蔑称で呼ばれていて。
狩野英孝:うん。
浅野いにお:そのムジナと呼ばれる人たちが、裏仕事というか、暗殺業務であったりとか。
狩野英孝:うん。
浅野いにお:そういう犯罪行為をしている、という物語になってます。
狩野英孝:今、2巻までまんが王国で配信されていまして。読みましたけども。またこのアクションシーンの迫力ね。
倉持由香:うん、カッコイイですよね。
浅野いにお:ありがとうございます。
倉持由香:ムジナちゃんたちのアクションシーンが、セクシーで。
浅野いにお:そうですね。女性キャラクターも多かったりするんで。
倉持由香:はい。
狩野英孝:こういう設定っていうのは、どうやって考えるんですか?
浅野いにお:いや、これは本当に複合的な理由だったりするので。
狩野英孝:はい。
浅野いにお:結果的に、バイオレンスアクションというか。アダルトな感じもあるしってなってるんですけど。
狩野英孝:はい。
浅野いにお:本当にネームを書き出す直前までは、全く別の話を描こうと思っていて。
狩野英孝:ああ。
浅野いにお:中年の哀愁の地味な話をやろうと思ってたんですけど。
倉持由香:へぇ。
浅野いにお:パッと閃いて、ムジナの話になってるんで(笑)
倉持由香:真逆な(笑)
浅野いにお:真逆です。だから、本当に思いつく時って、ものの数分でパズルがパチパチって組み合わさるように話って出来上がっちゃうんで。ムジナの全体の設定っていうのは、10分ぐらいで考えた内容で(笑)
狩野英孝:中年の哀愁っていうのは、このムジナにも出てくる…
浅野いにお:見た目が白人のテルミっていうキャラクターがいるんですけど、ゲーム会社を経営している社長で。
狩野英孝:そこに乗ってるわけですね。
浅野いにお:そうです、そうです。そこが引き継いでるんです。
狩野英孝:へぇ。なんか、色々読んでいくと、今の日本の情勢なんかが描かれたりしてますけど。
浅野いにお:そうですね。僕も普段、家で何をしているかっていうと、ずっとまとめサイト見てるだけなんで。
狩野英孝:はっはっはっ(笑)
浅野いにお:どうしてもそういう、ゴシップ的な感じにはなっていっちゃうんで。
狩野英孝:だから読んでて、入りやすいは入りやすいですよね。
浅野いにお:そうですね、なんとなく何の事件とか、何の話題をって。
倉持由香:「これをモチーフにしているのかな」っていうような、風刺が凄い効いている作品ですね。
浅野いにお:そうなんですよね。
狩野英孝:またこれ、人権を売ったりしてね。
倉持由香:そうですね、2巻で出てくる、ホスト狂いで人権を売ってムジナになってしまったマインちゃん。
浅野いにお:ああ、そうです。
倉持由香:マインちゃん良いキャラですよね。
浅野いにお:良いキャラクターですよね(笑)
倉持由香:マインちゃん、幸せになって欲しい(笑)
狩野英孝:いや、無理でしょ。一旦、あの世界に入ったら。
浅野いにお:まぁ、でもムジナの世界は闘い合ってしまうと、必ずどっちか死ぬんで。
倉持由香:うう…
浅野いにお:そこは決め事というか。
狩野英孝:ですね。